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2007.1.21.大寒に二つの時代劇を見た篇

国立のどんと焼きDont_1 

 この季節、外へ出ても余りいいことはない。

並木通りも枯れ木通りのようになって、小鳥たちの居場所もない。

空気も冷たくて、太陽も遠くて、コートを着て、手袋をして、寒いなあと思いながら嫌々外へ出る。

 四国の片田舎から流れて、京都方面で途中下車して、関東までたどり着いた。

東京に住み始めたころ不思議だったのは冬になると晴ればかりということだった。

四国でも京都でも冬はドンヨリとした曇天の日が続く。

東京へ来てみると、確かに寒くて風は強いのだけど、毎日天気がよろしいのですね。

 2、3年住むうち、12月と1月は天気予報を見る必要がなくなった。

ふうてんはこれを、関東のバカッ晴れ、と名付けた。

40年近く住んできて、バカッ晴れは全く、悪くない。

バカでもなんでも、寒い季節に太陽が照ってくれるのは有り難い。

 暖冬と言われる今年、このところ気温が低い日が続く。

昨日はみぞれやら雪やらがチラついた。

寒いですねえと背を丸めていると、今日は大寒ですと教えられた。

 こういう時期はあったかいところで映画でも見るに限る。

蝉しぐれ

 真冬に(蝉しぐれ)というのも妙な話ではある。

NHKのBS2でこのテレビ・ドラマの再放送が始まった。

どうして真冬に?これが?再放送?

おそらく主演が(風林火山)に出ている役者(内野聖陽)だからだろうと思う。

 見直して、やはりよく出来ていると思った。

タイトル・バックの小室等の音楽がまずコチラを引き込んでしまう。

そして草笛光子のナレーション。

この二つがこのドラマ、文四郎とふくの淡い恋物語の雰囲気をかもし出す。

 (蝉しぐれ)の原作を読んだには理由があった。

エイプリル・フ~ルというとぼけた名前のショット・バーで飲んでいたとき、時代小説の話になって、池波正太郎のことなど話していたら、一人の若い客が、

(池波正太郎なんて大したことない、何と言っても藤沢周平ですよ)

と言った。

(そうですか、僕はまだ彼の小説読んだことないのだけど、お勧めは?)

(そりゃあ蝉しぐれですよ)

それで本屋に走って読んでみた。

最初から最後まで田舎出の少年のリリシズムみたいなものに貫かれていて、読後に爽やかな印象が残った。

 それからしばらくしてNHKの金曜時代劇でドラマ化されたのを見た。

う~ん、これは原作とええ勝負やなあと感心した。

良くできたテレビ・ドラマは原作もシナリオも役者も音楽も語りも、結局全部よろしいのですね。

不払い運動盛んなNHKだけど、出来るスタッフがいることを確認できて、スポンサーであるコチラとしては胸をなで下ろすのですね。

制作、監督(演出)に出来る人がまだまだいる、と。

 週一回の再放送なのであと何度か見ることが出来、楽しみが続く。

七人の侍

 土曜日に三鷹の芸術文化センターで(七人の侍)を見た。

この上映会でも一つのハイライトだ、と、出かける電車から始まり、上映中、見たあと家にたどり着くまで(七人の侍)で時間を過ごした。

 期待は裏切られなかった。

映画館でも何度か見、ビデオでは繰り返し見ている。

しかしフィルムで見直すのはもう20年ぶりくらいになるだろうか。

やはり映画はビデオではなくフィルムで見るに限る。

質感が全く違う。

 三鷹駅からバスで上映会場の芸術文化センターへ向かうとき、ある外国の青年の姿が見えた。

彼はこの上映会でちょくちょく見かける人物の一人なのである。

会場に着いて、ハイネケンの瓶ビールを飲み、席に座っていたら、隣の席にこの青年が座った。

(いつも来ているようですね、黒澤映画のファンなのですね)

と話しかけた。

(ハイ、僕は黒澤先生の映画が大好きなんです)

と達者な日本語で答えた。

(どこから来ました?)

(オーストラリアです)

余りに上手な日本語なので、

(日本へ来てどのくらい?)

(約1年です)

(えぇッ?1年前?じゃあずっと黒澤映画と一緒だったのねこの上映会で、You are lucky.)

と言ったら、一緒に来ていた友人たちが、

(Yes,you are lucky.)

と同調した。

(何をしに日本へ?)

(アニメーションです)

(なるほど、黒澤映画、勉強になるよねえ)

(ハイ、スターウォーズなんかもずいぶん黒澤先生から学んでいます)

(ところで1年で何でそんなに日本語上手になったの?)

(オーストラリアで子供のころから日本語習っていました)

(どうして?)

(興味があったから)

(・・・・・)

念の為に、ビールのあと、ニッカ・ウィスキーのポケット瓶を持っていたふうてんは聴いた。

(あなたアルコールの匂いは大丈夫ですか?)

(ハイ、大丈夫です)

 やがてブ~~~と上映開始のブザーが鳴った。

この映画の出だしをふうてんは食い入るように見つめた。

東宝というロゴマーク、七人の侍のタイトル。

早坂文雄の音楽をバックにスタッフ、キャストが黒地に白の筆書きの漢字で表される。

(七人の侍)と(監督 黒澤明)以外の文字は全て傾いている。

バックに早坂文雄のティンパニーを多用した低い(野武士のテーマ)が流れ続ける。

途中からリズムが変わり、というかドラムか太鼓かの楽器が、それまでのリズムと違うリズム、メロディーで参加する。

傾いた文字、不規則なリズム・・・不安感を盛り上げ、否応なく百姓と野武士との戦いを予感させる。

やがてスタッフ、キャストの紹介が終わりファースト・シーンが始まる。

山際の向こうから雲のように湧いて出た、馬に乗った野盗達が全速力で駆け抜ける。

それをカメラが殆どシルエットのような形で捉える。

・・・・

 5分の休憩を入れて約3時間半。

ふうてんはニッカのポケット瓶を飲み干して、オーストラリアから来た青年と再会を約して帰路についた。

(ふうてんアーカイブス)

2007 小正月のころ 国立

どんと焼き まるで竹槍

大人よりも子供が ダンゴを焼く

みんなで竹槍を持つDont_2 

 

 

 

 

 

 

 

竹槍の先に白いものがDont_3  

 

 

 

 

 

 

 

まだ火は燃えているよDont_4  

 

 

 

 

 

 

 

大分火は納まってきたDont_5  

 

 

 

 

 

 

 

いろんな少年団も来たDont_6_1  

 

  

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コメント

今朝の記事にはコメントしにくいです。
理由を考えてみました。
結論は、つけいる隙がない。
ふうてんさんの、蝉しぐれと、黒澤さんの七人侍は、そばからみていて、言いようも、書きようもなくなる。

なにか言ったら壊れる硝子細工、じゃない。
その反対。
なにか言おうが、言わないですませようが、
記事が独立している、立っている。
だから、心安らかに、拝読し「うむ」とつぶやくだけでよい。

と、いうことを、ぜひ申し述べたかった、わけですよ(笑)

追伸
 その、オーストラリア産の日本語上手な人、ほんとうにふうてんさんはいろんな人と知り合いになるというか、外で出くわすわけですな。本当の国際人だと、思いました。

投稿: Mu | 2007/01/22 04:08

Muさん

 今日は珍しくこんな時間に起きています。
(蝉しぐれ)(七人の侍)は語り尽くされている傑作です。
そんな傑作も100人が見れば100人の個別の感想が生じます。
そう信じているので臆面もなく何度も書いてしまうのですね。

 (七人の侍)のタイトルは黒地に白の文字で、考えてみるとMuBlogの記事のデザインと同じですね。
1954年にこの映画が公開されたとき、この出だしのタイトルを見て、世界の映画人はきっとビックリしたろうと思います。
静かで緩やかだけど迫力のあるサウンドと映像のコラボレーション。
この浪々とした風格はちょっと他の映画にはないですねえ。
序破急のようにタイトルの最後に急速度で駆け抜ける野盗の群れ。
映画芸術、映画にしかやれないことを43~44歳の黒澤明はやっています。
その年齢に池波正太郎は(鬼平犯科帳)を書き始めました。

 43~44歳のころ。
野郎どもが一番仕事をする年齢なのかもしれませんねえ。

 当方が道端で見ず知らずの人と打ち解けることがままあるのは・・・自分ではよく分かりませんが、何か理由があるのでしょうね。
打ち解けるあまり、沈没していなくなっちゃって困るんだよね、なんてJOさんにはよく言われました。
家の近くのボクちんなどともすぐに友だちになるのですね。

投稿: ふうてん | 2007/01/22 05:44

 (ドラマ 『蝉しぐれ』)
 何度見ても、いいですよね。
ビデオを撮って、放送終了後にもおさらいして、再放送も繰り返し見ました(笑)。

 内野聖陽さんは、すごい役者さんだと思いますが、NHKのドラマの時は特に光っています。
なぜ、民放ドラマではそれほどではないのか?と思ってましたが、NHKには(出来るスタッフがいる)からなんでしょう。
(原作もシナリオも役者も音楽も語りも)揃ってこそ、良いドラマが出来上がるのですね。

 といっても、この作品、海外では高く評価されましたが、国内のその年の最優秀作品には選ばれませんでした。
その時は、どうしてこんなに良い作品なのに、国内では評価されないのかと、とっても残念でした。
ですから、『ふうてん老人日記』で黒沢映画と並んで、顕彰していただいてありがたく思っています。へへ。

 (家の近くのボクちんなどともすぐに友だちになる)
ふうてんさんは、キャパが広いからなあ~。
人間、年をとるにつれて頑固になって、自分の砦以外の事には手をださない、興味も示さないという人は、大勢いますけど、聞き上手のふうてんさんは、誰にでも話を合わせられるので、初対面の人ともすぐうち解けることができるんでしょうねぇ。

投稿: ほかも | 2007/01/22 10:39

 ふうてんさん お元気そうですね?

 蝉しぐれ、断片的にテレビで観ました。女優の水野真紀さん藩主のお手がついた役回りだった記憶です。純愛物語?そんな印象ですが断片的にしか観ていません。

水野真紀さんは確か、コンテンツ時代に”がメラⅡレギオン襲来”の映画の時に出演していただいた人ですよね?徳間さんが好みの女優さんだった記憶があります。

 ハノイも最近は寒くなりました、11度程度で暖房を入れ始めました。赴任後初めて週末の二日間は休めましたので、ストレスが溜まった家内を連れてハノイ観光しました。

日本は随分と寒くなったのでしょうね?自宅では殆どテレビは観ないので、家内と話をする機会が増えました。(笑)老後の夫婦というのは難しいですね~~~。

投稿: jo | 2007/01/22 13:43

ほかもさん

 蝉しぐれの文四郎役は内野聖陽がドンピシャリでしたね。
当方は全く知らない役者だったのではじめのうちハテ?この人は?と思いました。
あのちょっと線の細いところが役柄に合っていたような印象でした。

 金曜時代劇は山本周五郎もの、平岩弓枝ものなどなど、ずいぶんといいのがありましたねえ。
今は木曜時代劇になったようで何だかピンと来ません。
一般的には花金と言いますか、金曜日が週末で、土日休みのサラリーマンにとっては金曜日が特別な日なのですのにね。
大昔の(刑事コロンボ)なんかも確か金曜日でした。

 そんなこと言ったら月曜休みの繁寿司の主に、俺んとこは土曜も日曜も休みじゃないんだゾ、どうしてくれる、とネジ込まれそうですね。

 家の筋向かいに野球好きの少年がいましてね。
聴けばこの4月に6年生になるそうです。
道でよく壁投げキャッチボールをしています。
6年生のころ・・・遠い昔を思い出させてくれますねえ。

投稿: ふうてん | 2007/01/22 14:09

JOさん

 ハノイでも11℃ですか。
日本とあまり変わりませんねえ。
タイでは暑い、もっと暑い、すごく暑いしか四季を表現する言葉はないと留学生アリヤさんに聴きましたが・・・。
ベトナム語には春夏秋冬がありそうですね。

 水野真紀さんは確か(カミソリ後藤田正晴)氏と縁続きの政治家と結婚しましたね。
カミソリ後藤田はリベラルでなかなかの仁でした。
当方はこの人のファンだったのです。
(戦争反対)という一本の柱を鮮明にしていました。
警察庁長官もやったお方ですが、軍隊は必要ない、警察くらいでええ、という感じの徳島県出身でした。
当方は正治、あちらは正晴。
それで親近感を・・・??

投稿: ふうてん | 2007/01/22 14:38

 (とんど焼き)
関西では”とんど”って言います。
国立では、盛大な”どんと焼き”が行われるんですね。
みなさんが竹槍の先につけている白いものは何でしょう?
もしかして、それが(団子)ですか~(>_<)。
とんどで、注連飾りを焼いたことはありますけど、団子を焼いた経験はありません(笑)。
一人一本、自分で焼いた団子は、どうやって食べるんでしょうね。

投稿: ほかも | 2007/01/23 11:56

ほかもさん

 とんど焼き、どんと焼き、とんと焼き、どんどん焼き・・・。
全国でいろんな言い方をするようですね。
ただ共通しているのは(とん)とか(どん)の語感です。
(どんどん燃やせ)ということなのでしょうね。

 ダンゴやらモチやらを焼くのは、残り火なんです。
この残り火が出来る前に、しめ飾りやら門松やらの年末から正月にかけて使って用済みになったものを山のように積み上げて盛大に燃やすのですね。
それはこのダンゴ焼きの1時間前に点火されます。

 竹竿に刺したダンゴやらモチやらを焼くのですが、焼いたあと竹竿を元の場所に戻していました。
焼いたものをその場で食べているのは見かけませんでした。
やはり縁起物なのかもしれませんね。
何かを燃やす、というのは一種のカタルシスがありますよね。
拝火教ともいわれるゾロアスター教なんてのが日本にかなり影響を与えているのではないかという説もあります。

 燃やしたあと残り火で食べられるものを焼く、という儀式めいたものを楽しむのでしょうね。
やけどしたりすると困るから長~い竹竿に刺して焼くのでしょう。
人間は(遊ぶ動物)とも言うそうで、いろんなことをやりますねえ。

 さっき(蝉しぐれ 第3回)を見ましたが、いいですねえ、何度見ても。

投稿: ふうてん | 2007/01/23 22:09

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